【更新日:2026年10月25日/情報確認日:2026年10月25日】 本記事は最新情報を示しています。なお、ポルシェ981ケイマン 値上がり の確認を行いました。
「ポルシェ981ケイマンは値上がりしている」という話を聞いて、買うべきか、売るべきか迷っている方は多いと思います。
結論から言うと、981ケイマンは、S/GTSの価格上昇を指摘する専門店の見解があり、GT4には新車価格を上回る掲載例、MTにはPDKを上回る高値の掲載例が見られます。ただし、グレード・走行距離・装備を揃えた過去年次のデータが不足しており、市場全体の上昇率やMTの値上がり幅は確認できていません。「値上がりしている」とも「していない」とも、断定できる根拠はまだない、というのが正確なところです。
この記事では、グレード・変速機・走行距離ごとの掲載価格を整理し、価格差がどこで生まれているのか、購入前に何を確認すべきかをまとめます。相場は変動するため、数値はすべて「確認日時点の掲載価格」であり、成約価格や買取価格ではありません。
981ケイマンとは|2012〜2016年の4グレードと新車価格
981型ケイマンは2012年12月に国内導入され、2016年に718ケイマン(982型)へ切り替わりました。国内設定は4グレードです。
| グレード | エンジン・出力 | 変速機 | 導入時新車価格(MT/PDK) |
|---|---|---|---|
| ケイマン | 2.7L・275PS | 6MT/7速PDK | 612万円/659万円 |
| ケイマンS | 3.4L・325PS | 6MT/7速PDK | 773万円/820万円 |
| ケイマンGTS | 3.4L・340PS | 6MT/7速PDK | 915万円/979万円(2014年) |
| ケイマンGT4 | 3.8L・385PS | 6MTのみ | 1,064万円(2015年) |
※2014年4月に価格改定あり(ベース629/678万円、S 795/844万円)。新車時はいずれもPDKの方が47〜64万円高い設定でした(出典:グーネット国内カタログ、2026年10月25日確認)。
981は、ベースとSが自然吸気6気筒だった最後の世代です。後継の718は初期型で4気筒ターボになりました。なお、2020年以降の718 GTS 4.0は自然吸気6気筒のため、「981が最後の自然吸気6気筒ケイマン」という表現は正確ではありません。
2026年10月時点の中古掲載価格|グレード×走行距離
グーネットに掲載されていた981ケイマン33台(重複排除・987除外)を、グレードと走行距離で整理しました。各セルは「台数/車両本体価格(万円)」です。全国在庫の網羅集計ではなく、確認日時点の断面です。
| グレード | 3万km以下 | 3万〜6万km | 6万km超 |
|---|---|---|---|
| ベース | 3台/497.9〜593.8 | 7台/448〜564.1 | 7台/363.5〜697 |
| S | 2台/598〜880 | 4台/638〜768 | 2台/383〜685 |
| GTS | 1台/838 | 1台/968 | 2台/720〜818 |
| GT4 | 2台/1,238(別途ASK) | 2台/1,230(別途ASK) | 0台 |
同じ区分の中でもレンジが広いのは、MT/PDKの混在、装備、ハンドル位置、整備・保証条件が揃っていないためです。
グレードと変速機を揃えて距離の影響を見ると、ベース・PDK(14台)では、3万km以下と3〜6万kmの中央値がほぼ同額(約517〜518万円)で、6万km超の中央値は425.8万円と約91万円低くなります。ただし6万km超の5台はすべて2013年式で、距離だけでなく年式・装備の影響を含みます。9.2万km・511万円の個体が4.8万km・498万円を上回る例もあり、価格は距離順には並びません。「1万kmで○万円下がる」という減価率は、この標本からは算定できません。
新車価格に対する残価率|GT4だけが100%超
掲載価格を導入時の標準新車価格で割った「掲載価格ベースの残価率」は次のとおりです。分母は各個体の購入額ではなく、オプション・諸費用も含みません。投資収益率を示すものでもありません。
| グレード | 掲載価格レンジ | 導入時新車価格 | 残価率 |
|---|---|---|---|
| ベース・PDK | 363.5〜593.8万円 | 659万円 | 約55〜90% |
| S・PDK | 383〜768万円 | 820万円 | 約47〜94% |
| GTS・PDK | 720〜968万円 | 979万円 | 約74〜99% |
| GT4・MT | 1,230〜1,238万円 | 1,064万円 | 約116% |
確認時点で新車価格を上回る掲載例があるのはGT4のみです。GTSも高水準ですが、PDKの掲載価格は新車価格以下でした。「GTSも一律にプレミアム化している」とは、このデータからは言えません。
「値上がり」は本当か|掲載・成約・買取価格を分けて考える
「値上がり」を判断するには、同条件の車両の価格が時系列でどう動いたかを見る必要があります。しかし、981について公開されている年式別の価格表は時系列データではなく、2023年から2026年の同条件比較は今回確認できませんでした。
確認できる範囲で言えるのは次のことです。
- GT4には標準新車価格を上回る掲載例がある
- グレード・変速機・距離で価格差が大きい
- 掲載価格は販売店の提示額であり、成約価格・買取価格とは別
ただし、過去の掲載相場調査との比較はできます。2020年8月に個人サイトが行った掲載車調査では、ケイマンS・PDKは「2014年式で5万kmを超えると500万円を切る」と説明されていました。2026年10月の掲載では、同じ2014年式・5.6万kmのS・PDKが638万円(支払総額658万円)で提示されています。車齢が6年進んだ同じ登録年の車が、近い距離で当時の水準を上回っている点は、S・PDKについては価格上昇を示唆する材料です。
一方、ベース・PDKは同調査で2015年式・1.8万km区分の中央値が550万円でしたが、現在の2015年式・2.1万kmは497.9万円と、当時の水準を下回る掲載例もあります。GTSは距離を揃えた比較ができませんでした。つまりグレードによって結果が異なり、981全体が一律に上がっているとは言えません。また500万円という基準は当時の正確な平均値ではなく、現在の638万円も1台の掲載例なので、「○%上昇」と率で示すことは避けています。
海外の公開オークション(米国Bring a Trailer)では、2014年式ケイマンS・6MTの落札実績が時系列で確認できます。2020年5月に約6.3万km車が39,000ドルで落札されたのに対し、2026年5月には約10.6万km車が58,750ドル、2026年6月には約3.4万km車が63,500ドルで落札されています。車齢も距離も進んだ車に高い落札例がある点は、長期では価格が上がったことを示す材料です。ただし2025年6月(約4.2万km・65,000ドル)と2026年9月(約4.5万km・59,000ドル)のように、直近では下回る例もあり、上昇一辺倒ではありません。米国の落札額であり、円換算して日本の相場上昇率とすることはできません。
国内では、オークション運営会社セルカが公表する2014年式ケイマンの成約実績が2022〜2026年にわたって確認できます。ベースの3〜4万km帯は2022年10月に436.1万円、2024年2月に362.0万円。Sの2〜3万km帯は2023年1月に491.5万円、同年7月に637.0万円、2026年2月(3〜4万km)に545.5万円。GTSは2026年1月に750.0万円(2〜3万km)です。同じ年式・近い距離帯でも上下が混在しており、国内の成約実績からも「一方向に上がり続けている」とは読めません。この一覧にはMT/PDKの区別がなく、装備・状態も揃っていないため、個体差と相場変動を分けることはできません。
ポルシェ専門店ワンフォアは2024年の記事で、981のS/GTSを中心に価格が上昇し、スポーツクロノ装備車が業者間で競合する状況を説明しています。価格上昇を指摘する業界情報は存在します。ただし比較期間・標本数・MT/PDK別の成約価格は示されていません。
整理すると、「981は値上がりしていない」と言うのも、「981全体が継続的に値上がりしている」と言うのも、どちらも根拠不足です。確認できた範囲で言えるのは、「S・PDKには2020年の掲載水準を上回る例があり、専門店もS/GTSの上昇を指摘している。一方ベースには当時を下回る例もあり、MTの過去からの上昇幅は比較データがない」ところまでです。「値上がりするから今買っておけば損しない」という判断は、この材料ではできません。
なお、買取店が公開している「年式別の査定価格の推移」は、2014年式・2015年式といった年式ごとの横比較であり、同じ条件の車を過去から追った時系列ではないため、値上がりの証明には使えません。
ポルシェ981ケイマン 値上がりと MT vs PDK の価格差|「MTは一律に高い」とは言えない
981の掲載実例では、MTがPDKより高く提示されているケースを確認できます。ただし、その差は一定ではありません。
| グレード | 6速MT(台数/価格) | PDK(台数/価格) |
|---|---|---|
| ベース | 3台/539〜697万円 | 14台/363.5〜593.8万円 |
| S | 2台/685〜880万円 | 6台/383〜768万円 |
| GTS | 0台 | 4台/720〜968万円 |
条件を近づけて比較すると、見え方が変わります。2014年式ベースMT・4.7万km・539万円と、同年式PDK(4.1〜5.6万km・498〜530万円)の差は9〜41万円でした。PDK側はスポーツクロノや整備・保証付き、MT側はGT4仕様エアロ装着車という条件差を含んでいます。
一方で、同年式・ほぼ同距離でも239万円(ベース・2013年)、282万円(S・低走行車)離れた例もあります。ただし後者はMTが右ハンドル、PDKが左ハンドルで登録年も異なり、差額のすべてを「MTの価値」と解釈することはできません。
新車時はPDKの方が47〜64万円高かったことを考えると、一部の中古掲載で価格関係が逆転しているのは事実です。しかし「同条件ならMTが一律○万円高い」という市場水準は、今回の標本からは確認できませんでした。MTを検討する場合は、改造の有無・ハンドル位置・保証条件を揃えて個体ごとに比較してください。
購入前に確認したいこと(ポルシェ981ケイマン 値上がり)|PDK・エアコン・内装・IMS
981で整備実例として報告されているのは、PDKの変速ショック、ドアトリムの浮き、エアコンコンデンサー損傷によるガス漏れなどです。発生率は公開されておらず、「必ず出る持病」とは言えませんが、試乗・現車確認で見ておきたい項目です。
- 冷間・温間での変速の様子と、PDKの整備履歴・診断記録
- 冷房の作動確認と、冷却系・エアコン系の修理履歴
- 天井・ドア内装の浮き、スポーツシートの状態
- 改造の有無(エアロ・マフラー・車高)と純正部品の有無
- 保証の内容(期間・距離・対象部位)と納車整備の範囲
なお、ポルシェの水平対向エンジンで知られる「IMSベアリング問題」は、主に1997〜2008年のモデルが対象です。981はこの問題の対象外とされています。ただし「987以前はすべて該当する」と括るのも不正確なので、個体ごとに整備履歴で確認してください。
保有コストと売却|税金・保証・査定の比較方法
税金(2026年10月時点)
- 自動車税:ベース(2.7L)年51,000円、S/GTS(3.4L)年58,000円。初度登録から13年経過で58,600円/66,700円に重課
- 自動車重量税:1.5t以下で2年24,600円。13年経過後は34,200円
981は2012〜2016年式のため、早い個体は2025〜2026年から13年重課が始まります。購入時に登録年月を確認してください。
整備費用
公開されている料金例として、981のオイル+フィルター交換で35,475円という実例があります。任意保険・タイヤ・点検・車検を含めた年間総額は、走行距離や保険条件で大きく変わるため、本記事では固定額を示しません。古い記事にある「年間約○万円」という数値は、燃料単価や部品代が変わっているため、そのまま使わないことをおすすめします。
ポルシェ認定中古車(Porsche Approved)
Approved保証は、車齢14年・走行20万km以内の車両が加入でき、最長で初度登録から15年まで、期間中は距離無制限で保証されます(111項目点検、消耗品は対象外)。981は2026年時点で全個体が車齢14年以内のため、まだ対象になり得ます。一般中古との価格差は条件を揃えた比較データがないため、個別に見積もりで確認してください。
売却時の相場把握
手放す場合、価格の見え方は売却ルートで変わります。
- 買取一括査定:複数社の競争で価格が出やすい。装備の評価は会社による
- ポルシェ専門店:装備・履歴の評価理由が明確。相場より高い場合も低い場合もある
- オークション代行:落札額から手数料・陸送・不成約時の費用を引いた「手取り」で比較する
掲載価格はあくまで販売店の提示額です。売却を考える場合は、買取価格の実例を複数取ってから判断してください。
まとめ|981は「値上がりの有無」より「条件による価格差」を見る車
- 2026年10月時点で新車価格を上回る掲載例があるのはGT4のみ
- MTにはPDKより高い提示例があるが、同条件では9〜41万円差の例もあり、上乗せ額は一定ではない
- S・PDKには2020年の掲載水準(2014年式・5万km超で500万円未満)を上回る例(同条件638万円)があり、専門店もS/GTSの上昇を指摘。ベースには当時を下回る例もあり、一律の値上がりとは言えない
- 購入前はPDK・エアコン・内装・改造・保証を揃えて比較する
- 2012〜2016年式のため、13年重課の開始時期を登録年月で確認する
相場は月単位で変わります。購入・売却を具体的に検討する段階では、同じ週のうちに掲載・買取価格を再確認してください。
ポルシェ981ケイマンは値上がりしていますか?
グレードによって異なります。ケイマンS・PDKは、2020年の掲載相場調査(2014年式・5万km超で500万円未満)に対し、2026年10月には同条件で638万円の掲載例があり、上昇を示唆しています。一方ベース・PDKには当時の水準を下回る例もあり、981全体が一律に値上がりしているとは言えません。MTの過去からの上昇幅は比較データが不足しています。
981ケイマンはMTとPDKのどちらが高いですか?
掲載実例ではMTの方が高く提示されているケースがありますが、同年式・近い距離の比較では9〜41万円差にとどまる例もあり、上乗せ額は一定ではありません。新車時はPDKの方が47〜64万円高い設定でした。
981ケイマンにIMSベアリング問題はありますか?
IMSベアリング問題は主に1997〜2008年のモデルが対象で、981は対象外とされています。981で報告されている整備実例はPDKの変速ショック、エアコンコンデンサーのガス漏れ、ドアトリムの浮きなどです。
981ケイマンの維持費は年間いくらですか?
自動車税はベース51,000円、S/GTS 58,000円(13年経過で重課)、重量税は2年24,600円(13年経過後34,200円)です。保険・タイヤ・整備を含む年間総額は走行距離や条件で大きく変わるため、固定額は示していません。
参考資料:グーネット 981ケイマン掲載一覧・国内グレード別カタログ/Bring a Trailer 2014 Porsche Cayman S 落札結果(2020〜2026年)/セルカ 2014年式ケイマン オークションデータ一覧(2022〜2026年)/No Car, No Life!!「981ケイマン中古車価格相場」(2020年8月調査)/ワンフォア「今後値上がりの期待できるポルシェは?」(2024年2月)/ポルシェジャパン公式(718モデル・Porsche Approved保証条件)/ポルシェ公式ニュースルーム(718発表)/JAF 自動車税・重量税Q&A(いずれも2026年10月25日確認)。本記事の価格は確認日時点の車両本体掲載価格であり、成約価格・買取価格ではありません。
