違いは音色？レクサスホーンとプレミアムホーンの秘密

せっかくの愛車なのに、クラクションを鳴らすと「プッ」と間抜けな音がしてがっかりした経験はありませんか？　多くの高級車オーナーが、このホーンの音色に違和感を覚えているようです。私も以前、中古で購入したトヨタのマークXで、初めてホーンを鳴らしたときに「おや？」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。車の見た目は立派なのに、なんだか安っぽい音で。そんなとき、耳にしたのが「レクサスホーンに交換すると、高級車らしい音になる」というウワサでした。今回は、そのウワサの真相に迫りながら、多くの車好きが悩む「レクサス純正ホーン」と「トヨタ純正プレミアムホーン」の実際の違いについて、深く掘り下げていきましょう。

徹底比較！レクサスホーンとプレミアムホーンの隠された違い

さて、ホーン交換を検討するあなたがまず知りたいのは「レクサス純正ホーンとトヨタ純正プレミアムホーンは何が違うのか？」という点でしょう。言ってしまえば、この二つのホーンは、音の質においては実質的に同じものだと断言できます。なぜなら、その心臓部を製造しているのは、同じ日本の老舗メーカーである「丸子警報器株式会社」だからです。これは、複数の情報源で確認されている事実なのです。

音は同じ？驚きの兄弟関係

レクサス純正ホーンは、主にレクサスLS600hLのようなフラッグシップモデルに搭載されています。その公称周波数は、ハイピッチが500Hz、ローピッチが400Hzとされています。一方で、丸子警報器が自社で販売している「スーパーギガホーン」も、全く同じ周波数設定なのです。これは偶然ではありません。レクサス純正ホーンは、丸子警報器がレクサス向けに供給しているOEM製品（他社ブランド製品）だと言われています。

それでは、トヨタ純正プレミアムホーンはどうでしょうか。このホーンは、トヨタのディーラーオプションや上級グレードに広く採用されているものです。公式な周波数のデータはあまり出回っていませんが、実際に両方を聞き比べてみたユーザーの多くが「音の違いがほとんど聞き分けられない」と証言しています。このことから、トヨタ純正プレミアムホーンもまた、レクサスホーンと同じ丸子警報器製のホーンをベースにしている可能性が極めて高いと推測されます。

なぜこんなにも混乱する？謎の部品番号

では、音色が同じなのになぜ二つの製品が存在するのでしょうか。それは、流通チャネルと取り付けの利便性が異なるからです。レクサス純正ホーンは、あくまでレクサス車の純正部品として流通しています。したがって、部品番号（例: 86510-30700）もレクサス独自のものが割り当てられています。

一方、トヨタ純正プレミアムホーンは、ディーラーオプションとして車種ごとに異なる部品番号（例: ヴォクシー用08522-28040）で流通しています。これが最大のポイントです。車種ごとに専用のコネクタが本体に付いており、配線加工なしで「ポン付け（カプラーオン）」できるような設計になっているのです。だからこそ、DIYでホーン交換を考えている人にとっては、トヨタ純正プレミアムホーンのほうが手軽に感じられる場合が多いでしょう。

悲劇！カプラーの落とし穴

私は過去に一度、ホーン交換で痛い目に遭ったことがあります。トヨタの車種にレクサス純正ホーンを取り付けようとしたときの話です。事前に調べて、ホーン本体は同じだと分かっていたので、そのまま購入しました。しかし、いざバンパーを外して作業を始めると、既存のホーンのカプラーと、買ってきたレクサスホーンのカプラーの形状が全く違うことに気づいたのです。手元にあったのはただのホーン本体だけで、変換ハーネスも持っていません。結局、ホームセンターまで平型端子と配線を買いに走り、その場で自作するハメになりました。あの日の焦りは今でも忘れません。この経験から学んだのは、「ホーン本体が同じでも、カプラーが違うとポン付けはできない」という単純なようでいて、見落としがちな真実でした。

取り付け前に知るべき失敗しないための注意点

ホーン本体の音色が同じだと分かっても、実際に取り付けるとなると、さまざまな課題に直面します。特に、シングルホーンの車からダブルホーンへの交換は、単純な部品交換だけでは済みません。

配線は必須？シングルホーン車の現実

あなたの車に元々シングルホーンしか付いていない場合、ダブルホーンに交換するには、電源を二股に分岐させる必要があります。ここを怠ると、せっかくのダブルホーンが片方しか鳴らなかったり、最悪の場合、ヒューズが飛んでしまうこともあります。

最も安全で簡単な方法は、純正のカプラーに接続できる二股の分岐ハーネスを使うことです。これにより、車の純正配線を傷つけることなく、誰でも簡単に配線を増やせるのです。一方で、電気工作が得意な方であれば、汎用の平型端子と配線を使って自作することもできます。しかし、配線の長さや端子の圧着が不十分だと、接触不良の原因になりますので、注意が必要です。

物理的な壁！スペースの確保

ホーンの交換で、意外と手こずるのが「物理的なスペース」です。純正のホーンは小さく、バンパー裏の狭い隙間に収まっていることが多いでしょう。そこに、一回り大きいダブルホーンを二つも押し込むとなると、これがなかなか大変なのです。

私の場合、以前の作業でホンダのフィットにダブルホーンを取り付けたとき、ホーンを縦に重ねて取り付けるという妙案を思いつきました。既存のステーをL字型に加工して、片方のホーンを上下逆さまにして固定することで、なんとかバンパー内に収めることができたのです。このように、車種によってはステーを曲げたり、新しいステーを用意したりするなどの工夫が求められます。ホーン交換の難易度は、ホーンの種類ではなく、むしろ車種側の設計に大きく左右されると言っても過言ではありません。

意外と面倒？バンパー脱着の壁

多くの車種で、ホーンはバンパーの内側に設置されています。そのため、ホーンを交換するためには、バンパーを取り外す必要がある場合が多いのです。最近の車は、バンパーのクリップやネジが複雑に隠されていて、初めての人が自力で外すのは一苦労です。

作業を始める前に、必ずあなたの車種のホーン交換のYouTube動画やブログ記事をチェックすることをおすすめします。そうすれば、どの工具が必要で、どこにクリップが隠れているのか、事前に把握することができるでしょう。もしバンパーの脱着が難しそうであれば、プロの整備士に依頼することも一つの選択肢です。無理をしてバンパーを傷つけてしまっては、元も子もありませんからね。

サウンドへの正直なレビュー

ここで、ユーザーの生の声を紹介しましょう。レクサス純正ホーンに交換した人たちは、その音色を「キレが良い」「歯切れが良く、気持ちの良い響き」と高く評価しています。多くの人が、その音に「高級感」を感じ、満足しているようです。

一方、センチュリー純正ホーンと比べると、その違いはより明確になります。センチュリーホーンは「ポワーンとした、お上品な低音」が特徴で、レクサスホーンのような「歯切れの良さ」とは違う印象です。これは、好みの問題になりますが、自分がどんな音色を求めているのかを事前に考えておくと良いでしょう。

結論：あなたに最適なホーンの選び方

レクサス純正ホーンとトヨタ純正プレミアムホーンは、音質的には同じであり、どちらを選んでも「あの高級車らしい音」は手に入ります。両者の違いは、取り付けの利便性に集約されるのです。

もしあなたがDIY初心者で、できるだけ簡単に取り付けたいと考えるなら、まずはご自身の車種に適合するトヨタ純正プレミアムホーンを探してみるのが最も確実でしょう。もし見つからなければ、レクサス純正ホーン本体と、車種専用に設計された変換ハーネスがセットになっている製品を選ぶことをおすすめします。この方法なら、配線加工の手間を省くことができます。

逆に、コストを抑えたい、もしくは自分で配線加工をする自信があるなら、レクサス純正ホーンや、丸子警報器の汎用製品である「スーパーギガホーン」を検討するのも良いでしょう。少しの手間をかけることで、より安価に同じ音色を手に入れることが可能となります。

さて、ホーンの音は、普段ほとんど鳴らすことのない、小さな部品です。ですが、ふとした瞬間に鳴らすその音が、あなたのカーライフをどれだけ豊かにしてくれることでしょう。ただ単に「うるさい」だけのホーンではなく、あなたの愛車が持つ品格を象徴する、そんな音色を選んでみてはいかがでしょうか。後悔のない選択をして、あなたのカーライフをさらに素敵なものにしてください。

レクサスホーンとプレミアムホーンの違いを総括

• レクサス純正ホーンとトヨタ純正プレミアムホーンは、音質面では実質的に同じ
• 両ホーンの製造元は日本の老舗メーカー「丸子警報器株式会社」
• レクサスホーンは丸子警報器のOEM製品
• トヨタ純正プレミアムホーンは、ディーラーオプションとして車種ごとに異なる部品番号を持つ
• 両者の決定的な違いは、流通チャネルと取り付け時のコネクタ形状にある
• レクサスホーンは特定の車種向けに部品として流通している
• トヨタ純正プレミアムホーンは車種ごとに専用コネクタが付属し、カプラーオンでの取り付けが可能
• シングルホーン車にダブルホーンを取り付ける際は配線の二股分岐が必須
• 変換ハーネスを使用すれば純正配線を傷つけずに済む
• ホーン交換の難易度は、ホーン本体ではなく車両側の設計に依存する
• バンパーの脱着が必要な車種が多く、物理的な取り付けスペースの確保が課題となる
• ユーザーレビューではレクサスホーンの「キレの良い音」が高く評価されている
• センチュリーホーンは「お上品な低音」で、レクサスホーンとは異なる音色
• DIY初心者は車種に適合するトヨタ純正プレミアムホーンを選ぶのが最も確実
• コストを重視するなら、丸子警報器の汎用製品も選択肢となる